あなたのタンゴを教える方式の観点が変わる
“存在しなかったメソドを探し求めて“ は100年以上前よりあるタンゴダンスの教授法について、あらためて教えを説いたエッセーである。本書は自然な形で基礎を前提とし、それを演出した上で、本来の性格を引き出し、この踊りの愛好者達が知っている主な知識を正確な技術用語を用いて深く分析し熟考すべき点をあらためて説いている。現在の教授法の特徴の総論を述べ、その教授法の矛盾点を批評しつつ分析して、この教授法の歴史的観点を原点から現在に至るまで、技術的かつ実技的な面からくまなく調べ、その解釈を説明している。

存在しなかったメソドを探し求めて


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者について


スポーツダンス(アルゼンチンスポーツダンス・舞踊協会、アルゼンチンオリンピック委員会、国際ダンススポーツ連盟)、現代舞踊、舞台舞踊、舞踏タンゴ、パーカッション、サパテオ、舞台、歌声、素描、絵画などを学ぶ。また、国立バレー(アルゼンチン国大統領公認)の研修セミナーでもその腕を磨く。

16歳の時、ブエノスアイレス大学の“Uバレー アルヘンティーノ”に入学。18歳で、初めての海外公演に出る。カナダのドルモンビルの世界ダンスフェステイバルに参加。ケベック州チクチミ並びにハ―スソング、トロントなどで公演。

国内の数々のコンクールで演出家並びにダンサーとして50以上の賞を受ける。 最も著名な賞は1996年の全国コンクールでのタンゴダンス、ペア部門第一位、1997年の同全国コンクール4部門で第一位、第二位並びに特別賞を受賞、コスキン国際フェステイバルで委員長が決める審査の中で最高得点で、“最高のダンサー”賞を獲得した。

アルゼンチンのルナ・パーク、コロン劇場、国立セルバンテス劇場、ロラ・メンブリベス劇場、アルべアール大統領劇場、アストラル劇場、ラ・プラサ総合劇場 ブエノスアイレス・シェラトンホテル、アルゼンチン農村協会、トリレ二ウム、サンスシ・パレス、サンミゲル・パレスなどで公演。

海外では数々の自作の作品を手掛けるとともに脚本演出も行う。中でも大きな功績を挙げたのはスペインでの第三回イベロアメリカ芸術祭、ハイメ・トーレスと共に参加したマドリードの国際観光展(FITUR)、マドリード芸術祭、2002年に行われたラ・ビジャ国際サマーフェスティバルや、モスクワ・ボリショイキエフバレー団、プラハのネグロ劇団やウクライナのバレーソリストたちと一緒に行ったコンデ・デューケ中央公園での公演などがある。またオスワルド・プグリエセ追悼公演では、セクステトタンゴ、プグリエセ・ベバと共演、マドリードのカルデロン劇場での “ダンス・オブ・パワー (舞踊の力)“には客員アーチストとして特別出演したほかマドリードのリッツホテルでも数々の特別公演を行ってきた。


レオナルド・スバラグリア、セシリア・ロス、レオノール・ワトリング製作の映画”デセオ (欲望)“をはじめとしてヨーロッパの映画・テレビにおける数々の作品を製作そして演出。仏・西合作 エドゥアルド・デ・グレゴリオ監督の”タンゴ・ロバード(盗まれたタンゴ)“、アチェロ・マニャス(スペイン)監督によるメヌエット時代の制作演出、ホセ・ペレス監督の ”バスタルドス・デル・タンゴ (タンゴのあばずれ)“特別脚色演出。マドリードのテレシンコ(5チャンネル)の特別番組 ”グロボ・メディア“と”グルポ・アルボル“などの脚本制作。  
その他国内の数々の舞踊コンクールに審査員として招聘される。

アルゼンチンや海外における数々の演劇団を結成した後、新しい舞踊タンゴの指導法を編み出す。歴史的又技術的な分野の研究から生まれたもので、踊りの手ほどきの分析から始まる方法である。 踊りの脚色を各章に分けて記述。在スペインのアルゼンチン大使館・観光局の後援によりこの指導法についての書籍が出版される。 その中では、国内外での著者の研究を発表するとともに 第二番目の著書にあたる“エル・メトド - 指導法”を紹介。 又、タンゴの歴史について執筆した三番目の本も準備中。

ボリビア、ラ・パス,コムーナ劇場にて“タンゴ、ミステリオサ・パシオン”(タンゴ、神秘的な情熱)を披露。この作品はタンゴダンス、音楽、演劇が一点になり、ある音楽家のストーリーを表現したものである。

ラトヴィア,リガ及びユルマラの第二回国際タンゴフェステイバルに招聘され、ラトビア文化アカデミーにてタンゴダンス及び演出についてのセミナーの講演を行う。
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翻訳者

川口 洋子

神奈川県横浜市生まれ
幼少時期を南米チリー、ペルーで過ごす。上智大学国際部卒業 
文部省認定日本語教師資格を有する
D.E.L.E. Superior (スペイン王国文部省認定スペイン語上級ディプロマ)
Goethe Institute ドイツ語上級通訳コース
メキシコ外務省翻訳官
JICA(国際協力機構)スペイン語コーデイネーター
現在在日メキシコ大使館にて、大使秘書として勤務

数年前よりアルゼンチンタンゴに魅せられ、自らも踊るほか、スペイン語を生かし、タンゴダンスの真髄、素晴らしさを習得しながら、その世界に楽しみを見出だしている。
数々の師のもとで、一人のアマチュアとしてタンゴを踊る中、2008年に来日中のウーゴ・マストロロレンソにめぐり合い、それ以降タンゴダンスの師と仰ぐようになる。